【ウナギ絶滅報道】こうして日本だけが自爆していく

かくしてうなぎの蒲焼き消費量は減っていった

昨今、ウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲高が減ったためにウナギ蒲焼きの価格が高騰している状況にあります。

 

その原因として新聞テレビ、ネット上で声高に言われていることは「日本人が食べ過ぎた、乱獲した」というものです。

 

しかしながら、日々鮮魚卸という仕事でウナギを取り扱い、近所の河川でウナギを捕獲して食べている私の感覚ではこの「日本人が食べ過ぎ、乱獲した」という原因は全く現実を知らない人たちが発信しているとしか思えません。

 

もとより私はこうしたマスコミの報道には関心がありませんが、間違えた情報が世間に蔓延すると世論(空気感のようなもの)に後押しされた行政などによる何らかの強制力が「規制」という形で働いてしまいます。

 

最近では本来プロであるはずの養鰻業者や行政までもがウナギに卵を産ませる?ことを期待?して養殖したウナギの成魚放流(養殖ウナギは全てオスになっています)をしたり、秋から初冬にかけての産卵へと海に下る「下りウナギ」の禁漁措置(全国に拡がれば伝統的「やな漁」が出来なくなります)まで打ち出す始末です。

 

「世界の75%のウナギを日本人が食べてる」というのは20年以上前のお話です、もうこんな古いデータを報道するだけでアウトでしょう。

 

すでに現在では国内の二ホンウナギ消費量はここ20年で激減しており、世界消費の15%程度まで落ち込みました。

 

 

私は取引先の冷凍業者(ウナギの蒲焼きは冷凍食品です)からも外国人がいきなりウナギを食い始めたということを聞いていません。

 

また「フランス人は世界消費のほぼ100%のカタツムリを食べてる!けしからん!」とはだれも批判しません。

 

つまり「世界消費」と言っても、もとより日本ほどは二ホンウナギを食する文化が無い国、そもそもが関心が無い国がほとんどですから、いかに現在の日本だけがウナギ消費が減り、食べにくくなったかを表しています。

 

ウナギは鮮魚としては最も調理の難しい部類に入ります、ウナギを捌く(裂く、と言います)工程、蒲焼きにする工程、日本独自の醤油と味醂の味付けそれぞれの文化が組み合わさっての「蒲焼き」なのです。
仮に外国で豊富に二ホンウナギが捕れたとしても直ちにウナギの蒲焼きが流行するということはありえません。

 

それらの国々が考えることは「日本人が喜んで食うらしいから日本へ輸出しよう」となるだけです。

 

中国南部沿岸域に日本への輸出用の蒲焼き工場が多いのもそうした理由です。

 

さらに日本の養鰻と比べると優位な条件が揃い過ぎています。

 

1.養殖種苗となるシラスウナギがその場で捕れる
2.人件費、土地など安い
3.温暖なため露地の広大な池で養殖できる、加温ハウス、温水設備不要
4.もともと気温、水温、水量などウナギの成長に適する養殖環境のため、魚病になりにくい(動物薬品使用量が少ない⇒小コスト)
4.食品としてはウナギ蒲焼きはかなり単価が高い(付加価値が高い)
5.製造したウナギ蒲焼きは軽量な冷凍食品、消費期限は2年間で取り扱い易い
6. 工場やその他のノウハウは日本の大手水産会社の管理と指導によるもの
7. 日本の大手商社と提携しているので売り先も100%安定(経営も安定)
8.ガスクロマトグラフィーによる残留物質の自主検査 
9.当局の検査にて違反物質があれば3年の業務停止措置(事実上の廃業)

 

以上の事実は私が調べた事と、現地を視察してきた大手水産企業の社員から直接聞いたことです。

 

しかし2000年頃に蒲焼き輸入がピークになると、養鰻振興議員懇談会が国にセーフガード発動を申し入れ、そこら辺りから、やれ抗菌剤マラカイトグリーンが検出された、発がん性(否定されています)物質だ、中国人は人間の死体や人糞をウナギのエサにしている(水が腐るとさすがのウナギでも死にます)抗生物質のシート?を池に沈めて養殖している(動物薬品には多額のお金が掛かります)などという事をマスコミなどが報道し始めて輸入ウナギは大打撃を受けたのです。

 

中には中国嫌いの露骨なナショナリズムまで加わってウナギそのものの全体消費を冷え込ませ、日本だけが「自爆」する結果となり、先のウナギ世界消費15%と相成るわけです。

 

台湾では日本人観光客向けにウナギの蒲焼き店での食事が組み込まれたツアーもあるようです。

 

ここでは、一旦メディアが垂れ流す情報はさておき、皆さんご自身の感覚でご判断できればと思い、私が持っている情報と経験などの材料を共有できればと思います。

 

参考:国内で使用している動物用医薬品数 牛64物質 豚66物質 鶏53物質 魚類(スズキ目)17物質 ウナギ5物質

昨年同時期の解釈のズレ

「今年は昨年同時期の1%しかシラスウナギが獲れていない⇒乱獲だ、食べ過ぎだ⇒保護すべきだ、ウナギ食うな」こうした意見にはほとほと呆れます。

 

まず、昨年同時期というのがまずよく解っていないのです。

 

魚は産卵や移動で漁師の網や釣り針の届く範囲に入り、獲れ始めるのには一か月ほどの前後誤差は毎年普通にあることです。

 

ウナギに関しては、その「100分の一」の情報源は最も早くシラスウナギ漁が解禁になる鹿児島県のもので、シラスウナギ漁解禁から一か月にも満たない期間を指しているようです。

 

しかも昨年対比の昨年とは2017年のことなんですが、2017年度のシラスウナギの漁獲量は12月に集中したために、その一か月で比較すると差が大きいのは当然の事なのです。

 

つまり、12月のデータだけを切り取っているだけで,現実には昨年度よりも単に「遅れていた」という状況なだけです。

 

日本のマスコミだけが日本人批判をして自国の食文化を打ち捨てようとしているのです

 

「たかがウナギ」の一例かもしれませんが、私はこうしたマスコミの「短絡的報道」と国民の「自虐的思考」が日本の国力を低下させてきた最大の原因だと思っています。

 

このままでは先進国で日本だけが景気が悪い「失われた30年目」に突入するのは自明です。

うなぎはどのような魚なのか?

ウナギはご近所にも生息できる魚です

 

日本にはウナギのかば焼きの専門店があるなど、古くから馴染みの魚として扱われてきました。

 

では「馴染みの魚」とはどのようなものでしょうか?

 

まず。身近に生息する魚であり、単に人の目に付きやすかっただけ、という単純な理由でしかないんです。

 

ウナギは渓流から一般河川、湖沼、海に至るまでほとんどの水辺で目にすることができます。

 

川が増水すれば田んぼの中にまで入り込みカエルやミミズなどを探し当てて食することもあります(うなぎの嗅覚は犬と同程度だそうです)。

 

このことは人間が簡単にみつけることができるがために捕獲するチャンスも多かった、ということを表しています。

 

その他の魚でもスズキやクロダイ、サケなど河川と海を行き来する魚は遺跡などからも骨が多く発掘されている魚種です。

 

対して、マグロやアンコウなどはどうでしょうか?

 

これらの遠く、あるいは深い場所に住む魚は捕まえることが難しく、そもそもが日常的に人目にふれることが無かったのです。

 

このように魚は水の中の生物であるという物理的な制約があるために川のウナギのように捕まえやすかったり、一方でなかなか目に触れることがなかったりということです。

 

これは現代の漁にも当てはまります。

 

例えば満月の夜には辺りが明るいため、集魚灯の明かりにアジやサバが集まりにくく、青魚と呼ばれる魚種は全国的に不漁となります。

 

また、比較的深いところに住むマダイなどは春の産卵期を迎えると浅場に大挙して押し寄せるので網で大量捕獲しやすく、市場には多くの天然マダイが並ぶのです。

 

たくさん捕れるからといって「今が旬」だと言う訳ではなく、先のマダイなどは卵や精巣に栄養を取られて一年でもっとも肉質の悪い時期となります。

 

これはただ単に人間の手の届きやすい場所まで自分から来てくれた、というだけなのです。

 

ほとんどの魚は陸上生物とは違い「そう簡単には捕まらない」のです。

 

ですので、ウナギの水揚げが減ったからと言って自然界から減ったということには直結しません。

 

 

もちろん総じていえばウナギを含め、全体の魚類の生息数が「減ってきている」ことは疑う余地のないことですが、「絶滅した」海の魚種がいないのもまた事実なのです。

ウナギはあらゆる魚種でも「絶滅」に一番遠い魚です

では、ウナギは絶滅の心配はないのでしょうか?昨今のシラスウナギの不漁はその先駆けではないのか、だから保護すべきではないか?という疑問が残ると思います。

 

では、激減して保護すべき魚、人間の努力で資源の回復が見込める魚はどのような魚種でしょうか?

 

例えば東北秋田のハタハタは郷土料理にもなるほど有名で、かつては豊富に捕れたため漁師も潤い、ハタハタ御殿と呼ばれる大豪邸を建てたりと好景気に沸きました。

 

そのハタハタが、一時期は乱獲がたたり、水揚げがほとんど無くなるほどに枯渇したのです。

 

ハタハタは水深550mに生息する深海魚ですが、漁期は産卵期で浅い岩場の海藻に卵を産み付けにやってきます。

 

その産卵のために接岸した群れを一網打尽にするというものでした。

 

当然ながら水揚げ量は年々激減し、最盛期の一割にも満たない状況になり、3年間の禁漁措置がとられたのです。

 

その結果、「資源は大幅に回復した」という状況にあります。

 

これは非常にわかりやすい資源回復の例です。

 

なぜ、この禁漁措置だけでなぜ回復したのかというと、ハタハタという魚の特徴にあります。

 

1.もとより大量に発生しやすい魚種であったこと。{成魚で20pの小魚・エサは動物性プランクトンなので豊富〕
2.ハタハタのメスは2歳から産卵を始め、一度の産卵で死なずに数年に渡り繁殖に参加できること(ネズミ算式に増える)。
3.産卵場所が特定できる魚種であること。(産卵場の環境を保護することが産卵に直結する。)
4.単に産卵期の乱獲が資源減少の主な原因であると判明したこと(それまでは天敵説、水温上昇説、資源変動の周期説などを推定していた)

 

対してウナギの特徴はどのようなものでしょうか

 

1.産卵場はフィリピン沖マリアナ海溝付近の中層(水中であるために場所を特定できない)
2.卵は水中に放出される浮遊卵(産卵場が破壊されることは無い)
3.産卵数は1000000〜〜3000000個と大量(産卵数が多いのは海産魚の決定的な特徴。川魚のサケ卵(イクラ)は平均3000個)
4.産卵に参加するウナギはかつて河川で過ごしたものは少なく、むしろ一生を海か汽水域で過ごした個体がほとんど。(河川での親魚?の保護効果は薄い。主に海水や汽水で育った大型の個体がメス化して卵を持つことが判明している。)
5.海で一生を過ごすもの、河川で過ごすもの、海と河川を行き来するものがいる(ウナギはエサを求めて古代より移動しているだけ、海の魚、川の魚、どちらとも言えない)
6.河川でのウナギの漁法は多彩で、その習性を利用して比較的容易に捕獲できる(人の目に付きやすい、このため一般にウナギが川魚であるという誤解
7.海では漁業の対象にならず、一部汽水域での漁が行われているのみである。(まとまって取れないため対象魚にならない、また定置網、刺し網で獲れない魚)
8.二ホンウナギという学名が日本固有種であるかのような誤解を生んでいるが実際は中国、台湾、ベトナム、フィリピン、韓国、北朝鮮、日本に生息(むしろ日本は産卵場から遠い国)

9.二ホンウナギのみがシラスウナギあるいは幼魚の黒子として産卵海域から日本まで到達出来る種である。
10.日本中のあらゆる淡水が流れ込む河川、水路などに条件を選ばず生息できる。(エサを探して移動しているだけ、塩分濃度・水質に適応)

 

 

先のハタハタの例と比較しても魚種によってまるで生態が違うためにハタハタのように「捕れなくなったから保護する」という理論は全く当てはまらないのです。

 

今年2018年度はブリの幼魚のモジャコ(養殖ハマチの種苗)が大発生して豊漁となっております、また親魚のブリも大豊漁です。

 

このブリという魚もウナギと同じく浮遊卵を産む魚ですが、水揚げは年によって大きなばらつきがみられます。

 

ハタハタのように海底の海藻に卵を産み付ける魚と違い、水中に卵を大量に放出する魚種は年によって発生量を正確に推定することはできないのです。

なぜウナギの稚魚シラスウナギの漁獲量にムラがあるのか?

これは仮説検証をしていく以外に無いのです、しかし海流の影響であるとほぼ断言できます

 

シラスウナギ漁業者が突如今年(平成28年)になって減ったということは考えられません。

 

私は以下の原因が複合的に起きたのだと考えます。

 

1、今年はシラスウナギの漁期期間中に荒天が続いた。シラスウナギに限らず、ほかの魚種でも今年は荒天のために水揚げ高は極端に少なかった
2、幼体のレプトケファルスが産卵場の北赤道海流から黒潮に乗る際に中規模渦と呼ばれる渦に巻き込まれてスムーズに黒潮の流れに乗れなかった。⇒だから接岸が遅れている。

 

レプトケファルス:ウナギは自分の子孫をなるべく広い範囲に届けるため,潮流の影響を受けやすいように、体を扁平にしたのではないでしょうか。

 

3.台湾でも同じく未曾有の不漁であることから黒潮をはじめとする海流の影響によるもの。
4.2の仮説から今後、黒子にまで成長した個体が各地に到達するものが出てくるだろうが、海底を這うように泳ぐ黒子が人の目にとまることは無いだろう。
5.そもそもが海流の影響であるために、幼体レプトケファルスや仔魚黒子が大陸に近づくことができなかっただけで、多くが海に留まる海ウナギとなっただけ。

 

という予測が付きます。

 

ウナギの稚魚シラスウナギが不漁なのは「現在よく解らないが海流の影響が大きいと考えられる」というのが答えです。

シラスウナギの漁獲高減少の理由とは?

ではなぜ、ウナギの稚魚であり、養殖ウナギの種となる天然のシラスウナギの水揚げ高が減少したと言われるのでしょうか?

 

まずここでシラスウナギの水揚げ高の推移をご覧ください。

 

 

折れ線グラフを見るとあたかも昭和38年をピークにシラスウナギの漁獲高が激減しているように見えます。

 

ここで、注意して見て頂きたいのはこれはシラスウナギの尾数ではなくて重量のグラフなんです。

 

さらに重大な事は、昭和40年代後半までのデータにはシラスウナギが成長して「黒子」と呼ばれる幼魚が含まれているために全く不正確なんですね。。

 

黒子(20cmまでの長さのもの)と言っても大きさは様々であり、黒子一尾(最大20g)の重量は一尾のシラスウナギ(0.2g)の数十倍〜100倍になりえます。

 

このような不正確なデータをもとにシラスウナギが激減したとは言えません。

 

ですので完全にシラスウナギ(一尾0.2g)だけの重量となると昭和50年代がらのデータを見なくてはなりません。

 

そして「池入れ量」という数字も全く当てになりません、これはあくまでも養鰻業者の自己申告なんです。
将来の魚病、自然死などを見込んだりしなければなりませんので、実際よりも少ない数字を申請するのは養鰻業に限らず、養殖業界の常識です。

 

また、国内で稚魚が少なかったからといって養殖池を遊ばせておく訳にはいきませんので、不足分は輸入や裏ルートを使ってまでも確保せざるをえないのが現実なのです。

 

こうして見てみると、減少してはいるものの、むしろ10数トンで安定しているとさえ言えるのです。

 

加えてシラスウナギの漁期は限定されており、海流の状況によってシラスウナギ、成長した黒子の接岸は大きく漁期後にずれ込みます。

 

人間が捕れなかったからと言ってそれが即資源の枯渇と言う訳ではないのです。

 

次にシラスウナギの漁業者数の推移グラフです。

 

これがそのままシラスウナギの漁業者数になるのかというと必ずしもそうはならないのです。

 

実は私が育った九州南部の町では1990年代まで農家、公務員、タクシー運転手、床屋の主人までもが冬場の収入源としてシラスウナギ漁を楽しみにしていました。

 

今では人口も半減、さらに高齢化してシラスウナギ漁を行う者は一人もいないそうです。

 

特にシラスウナギ漁はある程度のシラスウナギを取る人が集まって漁獲高が見込めないとその地域では成立しない(シラスウナギを集めたりする中心人物が必要)ようで、高齢化・過疎化によるコミュニティの崩壊で、「もう、ずいぶん前に皆辞めたよ」とのことでした。

 

ともかくシラスウナギ漁を行う人自体が激減していることは明らかです。

 

そして私自身も見落としていたことですが、「世間では不漁と言われてるけど、若い○○さんはもう(水揚げが)400万行ったよ」というように、シラスウナギを捕る漁業者個人のスキルにも大きく影響を受けるようなのです。

 

こうして見てみると、シラスウナギの漁獲高減は自然現象に加え、人的要素の方もまた大きいと言えます。

 

 

天敵の存在は完全無視、とにかく日本人が悪い

そして、シラスウナギの漁獲高減を議論する上でなぜか完全に無視されているのが、シラスウナギを食う天敵の存在です。

 

イワシの漁獲高が減れば「クジラが食べ過ぎたせいだ⇒クジラが増えすぎている⇒捕鯨しなくなったからだ」と、ここまで想像力豊かなマスコミも
ことシラスウナギの天敵については全て「人間」、それも「日本人」となってしまうのが滑稽です。

 

シラスウナギもまた例外なく他の肉食魚の重要なエサになってます。

 

例えば冬場の河口付近ではアジをはじめ、特にセイゴと呼ばれるスズキの若魚がシラスウナギをたらふく食べているのを私は見てますし、これらの胃の中にも確認しています。

 

 

表層をフラフラと泳ぐシラスウナギはセイゴにとっては捕まえ易いごちそうです。当然ですが人間よりもシラスウナギ漁が得意です。

 

魚にはエサに対しての「嗜好性」が強くあり、特にシラスウナギは肉食魚にとって格段に好まれるエサのようです。

 

アメリカでは東海岸でのストライプドバス、ニュージーランドの河川ではブラウントラウトが異様なまでの執着心を持ってシラスウナギを好んで食べています。

 

ニュージーランドでの川釣りでは、私の投げたセミの疑似餌になかなか関心を示さないブラウントラウトがいました。
そこで釣りの老ガイドが「これはシークレットだ」と言って私の先糸に結び付けたのは、つまようじのような形をした透明なプラスチックを針に縛り付けただけのシンプルなシラスウナギ疑似餌でした。

 

このシラスウナギの疑似餌がその後爆発的な効果を発揮したことは言うまでもありません。

【完全養殖、持続可能型と言うけれど】実体経済とシラスウナギの研究とのズレ

今では、スローガンのように言われるようになったウナギの完全養殖ですが、技術的に課題も多く、さらに稚魚のエサのコスト面で大きな課題があるということが現状のようです。
しかし、学術的には重要なことで続けてゆくべき価値のあることですが、、現実のうなぎ取引に際しての効用は非常に薄いと考えています。

 

その理由は一言で言うならば「経済原則を無視」しているからです

 

ブリやカンパチなどの養殖魚の例を挙げて説明いたします。

 

ブリ、カンパチは養殖魚は現在でも稚魚を天然資源に依存しています。

 

それらは天然資源が年によっては増減に大きなばらつきがあるものの曲がりなりにも稚魚を確保出来ている状況にあるからです。

 

今年はブリの稚魚であるモジャコが大豊漁です、またカンパチは中国のトンキン湾周辺で稚魚を捕獲して、生け簀船で輸入しているのですが、年によっては稚魚の発生にばらつきはあっても、以前のようなカンパチの需要が無くなってきており、それに応じて養殖業者も減ってしまったため、現在では一応、安定している状況にあるのです。

 

ブリ、カンパチに関しても長年に渡り、人工種苗の研究はなされておりますが実用化の前に経済的効用が薄いのです。

 

このように養殖業もまた需要と供給のバランスにあるのです。

 

 

将来的にウナギの完全養殖が可能になったにせよ、シラスウナギが年によって豊漁だったりする可能性が残っている以上、天然シラスウナギを買った方が「早くて安い」という可能性あるがために現実には学者、研究者でもない限り、現場ではだれも「本気が出ない」のです。

 

また、シラスウナギ漁業者に養鰻業者が支払っていた稚魚の仕入れ代金は大規模なシラスウナギ製造会社へと支払われることになるのを忘れてはなりません。
シラスウナギ漁で生計を立てていた漁業者の存在を無視してもいのでしょうか?

 

そして決定的な点は池入れ量などの上限があるために日本の需要自体がシラスウナギ22トン前後で飽和してしまう事実です。

 

 

現在、国産のウナギのかば焼きを購入するのは生活資金に余裕のある高年齢層に限られます、国民が皆食べられているわけではないのです。
今後もうなぎ蒲焼きの価格が安くならない限り需要自体が減っていくことでしょう。

 

近年(2009年24.7トン)でも20トン近くシラスウナギが獲れてますし、今後も20トン近く捕れることはあると予想されます。

 

年度

国産シラス池入れ量

備考

1997

12

 

1998

11

 

1999

27

豊漁・日本、中国、台湾で136トンの池入れ

2000

16

前年秋以降ウナギ大暴落・セーフガード発動を要請

2001

14

中国輸入ウナギに対してネガティブキャンペーン開始

2002

19

国内豊漁、輸入も国内産も全てウナギ消費が落ち込む

2003

24.4

豊漁も消費回復せず

2004

22.5

豊漁も消費回復せず

2005

10.1

いきなり不漁

2006

27.5

いきなり豊漁

2007

22.2

豊漁

2008

11.4

いきなり不漁

2009

24.7

いきなり豊漁

2010

9.2

不漁価格高騰

2011

9.5

不漁価格高騰

2012

不漁価格高騰

2013

5.2

超不漁・ウナギ絶滅論(4か国トータル19.8トン

2014

17.4

豊漁・急に取れすぎて相場安(4か国トータル91トン

2015

15.3

取れすぎて相場安

2016

13.6

 

2017

15.5

ピークが漁期開始12月に集中

2018

14

解禁当初は不漁(捕るな、食うなのバカ騒ぎ)

 

仮に完全養殖が可能になった際には国内シラスウナギ漁を全面的に禁止、さらに輸入シラスウナギ、黒子、成魚、そして蒲焼き製品を一切国内に入れないというような強硬な措置をしない限り、人口種苗の存在意義は薄いのです。

 

そこまで取り締まらないと、天然シラスウナギ種苗のウナギとの価格競争に突入することになります。
大きな価格差が無い限り人口種苗のウナギ蒲焼きに勝ち目はないでしょう。

 

なぜなら消費者は「人工」よりも「天然」を好むからです、小売りの現場では「天然シラスウナギ使用の蒲焼き」と大きく差別化訴求することでしょう。

 

これはウナギ蒲焼き専門店も同じです。

 

 

 

 

 

 

我々はウナギ稚魚の不漁に関して、どのような立場であるべきか?

まず、私が言いたいことはマスコミの情報を鵜呑みにしないこと、中には日本を代表する水産大学の准教授あたりが「うなぎ保護のため規制せよ」などと発言したりしています。

 

私も地方の国立大学の水産学部と交流がある立場から言わせてもらうと、最近ではフィールドワーク(野外で実地に研究しない)をしたことの無い、マンガのような自称専門家、研究者がざらにいます。

 

今回の記事の最後の方でシラスウナギの池入れ量の年度表(水産庁データによる)を持ってきたのには理由があります。
「早くこの表を出せよ!」と思われた方もいらっしゃることと思います、すいません。

 

最初にこの表を提示すると、「なんだ、今年も例年どおりじゃん」という事で思考を止めて欲しくなかったんです。

 

一つの自然現象には多くの複合的要因が必ず有ることを知ってほしかったのです。
今回ウナギ稚魚のシラスウナギの水揚げに関しては、そもそものシラスウナギ漁獲データの不正確さ、海流、天敵、漁業者の数などの要因を挙げてみました。

 

すぐに「悪者探しをして、徹底的にイジメ倒す、そして飽きたら終わり」という無責任な報道が多すぎませんか?

 

 

来年のシラスウナギの水揚げが分かるなんてこの人は「神」でしょうか?専門外のようですが、解らないことには口を閉じておくのも「教養」というものです。

 

今季平成30年度のシラスウナギの池入れ量は私が予見した通り、ただ単に接岸がズレていただけで昨年とほぼ変わらない14トン前後に落ち着きそうです(2018年5月現在)。

 

一番捕れなかった年(2013年5.2トン)の3倍近く捕れましたね。

 

こうした事実は今後マスコミは報道するのでしょうか?

 

先に述べられたような発言をするのは「金が欲しい」御用学者です、民衆には単純な理論が分かりやすいので「ウナギの稚魚が捕れない⇒ウナギ減った⇒食べ過ぎた日本人が悪い⇒反省して保護しろ」などと、迎合する発言をすれば「わかりやすい⇒即起用」となります。

 

表を見てもらえば海流の影響が一番疑わしいと考えるのが自然ではないでしょうか?
これのどこが「絶滅」でしょうか?どこが「コウノトリと同じ」でしょうか?

 

現在の日本ではもう「真実」など、どうでもよくなっているのです、世論の中枢を担っているのはコメディアンですから。

 

このような現場を知らない科学的根拠を欠いた薄っぺらい「正義感」のようなものの陰で虐げられ、衰退してゆくウナギの蒲焼き文化は一度失われたら元に戻すことはできません。

 

これらウナギの蒲焼きに従事する人々にとってはまさに死活問題なのです。

 

また、ウナギが絶滅危惧種に登録されたというニュースが大々的に報道されていますが、これもろくに調べもしないマスコミのミスリードによるものです。

 

コンビニのサケのおにぎりに使われるベニザケの方がウナギより深刻な絶滅危惧種に指定されています。

 

また、ウナギと同じレベルにヘラブナすら登録されています。

 

絶滅危惧種、レッドデータブックなるものがどういうものかは一切報道されないのです。

 

このおもちやのような「自然保護ごっこ」に権威があるものだと信じ込み、自分で調べもせずに好き放題の発言をすることが、どれだけ多くの人々を傷つけ、生活の糧を奪いとる行為であるのかを自覚して欲しいのです。

 

人間の力ではどうにもならない、有りもしない『ウナギの保護』の名のもとに今、まさに自国の食文化を打ち捨てようとしているのです。

 

ですので、どうか皆さん、少しでもウナギを食卓に並べて、国内、国外産に関わらず、生産者や蒲焼き製造業者、ウナギ専門店を買い支えて欲しいのです。

 

また、北海道以南一部を除いては、ダムや堰堤、河口堰などで海と遮断されてなければ、必ずウナギは生息しています。

 

サイト内にウナギの捕まえ方やさばき方も書いてありますので、ぜひご自身で調理したウナギを食卓に上げてみてください。

 

また、スーパーでも国産養殖ウナギは現在1尾が2000円近く、なかなか自分で購入して食べる機会が減ってしまっているので、特に通販ギフトなどで人気が急上昇のようです。

 

ギフトにはとっておきのウナギ通販業者を選んでおりますので、参考にしてみてください。

 

【プロが選んだ】うなぎ通販おすすめランキングに戻る