[ウナギのさばき方の違い]関東背開き?関西腹開き?諸説ありますが・・・あえてツッコミます。

関東背開き、関西腹開きというのが一般に言われていますね。

 

生産する側も出荷する地域に応じて使い分けている場合もあるようです。

 

なぜこのような違いが生じたのでしょうか?

 

なんだかめんどくさいし、流通網の発達した現代では鹿児島で生産しようが、静岡で生産しようが、販路は全国展開しております。

 

生産者側に立てば、余計なコスト(さばく工程を分ける、出荷先に応じて背開き腹開きを仕分ける)も掛かりそうです。

 

ウナギのさばき方の違い

 

ここでもう一度巷で言われているさばき方の違いとその理由を書きます。

 

関東は背開き⇒素焼き⇒蒸し⇒タレを塗って焼き完成
理由:腹を開くということが武士の切腹を彷彿させ、縁起が悪い。
大きな違いとして蒸すという工程があるため、ウナギは短く切られ串に刺され取り扱い易くされる。

 

関西は腹開き⇒そのまま焼き(白焼き)⇒タレを塗って焼き完成
理由:関西は商人文化であるから「お互いが腹を割って話し合いをする」という文化があったため。
大きな違いとしてウナギは長いまま切られることなく白焼き、蒲焼きに加工されます。

 

ということが通説となっています。

 

それならば関東には商業文化が無く、関西には武士がいないということになりますね。

 

また、ウナギ以外の鮮魚が干物などに加工されるときにもそれぞれの違いがあるはずです。

 

なぜウナギだけが縁起を担がなければならないのでしょうか?

 

こうしたことから個人的にはこれらは俗説の域を出ないと思います。

 

しかし、背開き腹開きといった違いが生まれたのはなぜでしょうか?

 

考えてみました。

 

仮説:ウナギのさばき方の違いは『単に習慣によるもの』

 

私は単にその土地の習慣によるものでそれほど合理的な理由もなく、習慣化されているだけだと考えます。

 

武士の文化や商人のどうのというようなことは後からもっともらしく付けた作り話でしょう。

 

たかがウナギをさばくのにそれほどの理由付けが必要でしょうか?

 

武士がウナギをさばいているのなら別でしょうが・・

 

魚の様子を見て自身や誰かのハラキリを想像して怯えるようではそもそも武士ではないでしょう。

 

水産業界はとてもローカルな世界

 

実は私も属する水産業の世界はとてもローカルな世界なんです。

 

いつも革新的で合理性を求めて成長するという世界とはすこし違います。

 

様々な点で「昔からこうしてきたから・・」という理由でしかない場合が多いんです。

 

例えば皆さんもテレビなどでマグロを日本刀のようなもので下ろしている画像を見たことがあるのではないでしょうか?

 

しかも二人がかりで包丁の柄と反対側の刃の部分を持つ方はわざわざ刃にタオルを巻いてケガなどしないようにしています。

 

なんらかの演出を兼ねているのかもしれませんが、驚くほど不合理で危険です。

 

これなどもただ「昔からこういうもんだ・・」、単にそういうことなんだと思います。

 

南九州にはマグロ包丁と言うものがあり、この包丁が一本あれば(2万円くらいで買えます)どんなに大きなマグロも一人で柵どりまでできるのです。

 

そもそもマグロの水揚げ量が多いので、こうした「儀式」を行うヒマなんか無いんです。

 

 

ここで私が言いたいのは単に「習慣はなかなか変わらない」ということで、特に水産業界はローカルな風習がいつまでも残っているんです。

 

私がそれらを批判する資格など無く、単なるある地方の一事象とみているだけなんです。

 

ですのでうなぎのさばき方に関しても、単なる習慣の域を出ないので、あんまり変な理由付けは滑稽なだけで意味のないものなんです。

 

今では背開きが主流になりつつあります。

 

こんな水産業界なんですが、ウナギに話を戻しますと、現在では背開きが全国的に主流になってきているような気がします。

 

私自身も背開きが圧倒的にやりやすいと感じて背開きしかしません。

 

理由として

 

1、背中側が筋肉が厚くて包丁を最初に入れやすい。
腹開きですと内臓側に包丁を指すために、魚体が柔らかく固定しにくいウナギでは包丁がぶれやすい

 

2、腹開きだと内臓を傷つける可能性が高い
特に苦玉(にがだま)と呼ばれると呼ばれる緑色した胆のうをつぶしてしまい肉についてしまうと厄介です。

 

3、背開きの方が圧倒的にスピードが速い
これは言わずもがな、です、youtubeで動画を見てみてください。
ほとんど背開きの動画で、腹開きの動画はまれです。

 

 

ウナギの捌きには背開き、腹開きと実はもう一つ大きな違いがあります。

 

それは関西では有頭(頭がついたまま)蒲焼きにされるという事です。

 

 

私が聞いた話では関西人は疑り深く「ほんまにウナギかいな?」ということでその証明のためにあえてウナギの頭が付いたままの状態に置くというものです。

 

このためウナギの蒲焼きの段ボールの箱には有頭背開きなどと書かれています。

 

そしてスーパーマーケットなどの小売り店頭まで頭が付いており、かつ切られていない姿のままのウナギが販売されているのです。

 

こうして購入した消費者は自宅でわざわざ頭を切り落として温めたり短く切ってご飯の上にのせなければならないのです。

 

こうしたことは生産者だけでなく消費者にも全くの無駄な手間のように思われます。

 

有頭ウナギは大人の都合?

 

通常ウナギの大きさは関西、九州などでは10キロあたり何匹か?と言うサイズ表記になります。

 

私が仲卸に「50の国産をくれ」と注文すれば10キロ÷50尾なので一尾200gのうなぎ蒲焼き製品という意味です。

 

有頭蒲焼きの大きさは当然食べられることのないウナギの頭込みの重量になります。
ゆえに頭の重量分、原料のウナギは小さくて済むということになります。

 

 

対して関東では生の状態のウナギが一キロ当たり何匹かというサイズ表記です。

 

関東では蒸しの工程があるためにウナギを適当な大きさで切って串に刺すのですが、ウナギの大きさにばらつきがあっても上手にカットして串に刺すことで小さなうなぎも活用できるのでしょう。

 

現在では養殖ものが主流ですので、こうしたバラつきはほとんど無いのでしょうがここでもかつての習慣が残っているのでしょうか?

 

ウナギのさばき方の違い、まとめ

 

その答えとしてはおそらく・・

 

『その地域の単なる習慣によるもの』だと思います。

 

さらにウナギ生産者に言わせればこうでしょう・・

 

『なにごちゃごちゃ言ってんだよ!さっと(ウナギを)さばくんだよ!』となることでしょう。

 

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